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【秋田】 秋田商

2年連続15回目

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追い上げ「大砲」が口火 田口選手

2005年08月09日

 3打席を終え3三振。秋田商の4番、田口嘉秀君のバットは相手左腕の沈む変化球にことごとく空を切った。フォームからは硬さが見て取れた。

 「『打のチーム』である秋田商の中心はとにかく田口。秋田大会で優勝できたのも田口が絶好調だったのが大きい」と小野平監督は話す。秋田大会では打率6割、7打点、1本塁打という数字を残した。

 小学校の頃はレスリングのスポーツ少年団に所属。3年生から6年生まで、全国大会で4年連続優勝した。「レスリングで作った体が、打撃に生きている」

 帽子のつばには「大砲」の文字。試合前、「きょうは全部打ちます」と力強く話した。

 だがチームは序盤から守備でリズムを崩す。守備の要である鈴木潤主将のけがと、エース佐藤洋君の突然の退場。チームが動揺する要素はたくさんあった。守備の乱れが攻撃にもちぐはぐさを与えてしまった。

 反撃の口火を切ったのは、田口君の一打だった。7点を追う8回、直球をはじき返した。三遊間を破る強烈な打球となった。後続が続き、工藤辰文君の2点適時打で本塁を踏んだ。

 「お前はライナーを打たなければだめだ! 打ち上げるな」。田口君は小野監督からいつも言われてきた。遠くに飛ばしたいという思いから、打球を上に上げようとする癖があった。低く、強い打球――。小野監督に求められ、練習で培った打撃が、自然に出た。

 9回、1死一、三塁で田口君に打順が回った。「後につなげたい」。「大砲」は、つなぐチームバッティングに徹した。真ん中に入ってきた直球を中前へ強烈に打ち返す。高校野球最後の打席は、適時打だった。

 大会2日目で終わった短い甲子園。でも、選手時代に甲子園に出場できなかった小野監督は「甲子園で高校野球を終われるのは幸せ」と思う。

 遊学館戦、2年生が10安打を放った。「頼もしい後輩だ。来年も打ち勝つチームで、甲子園で勝ってほしい」。夢舞台から降りた田口君は、新たな夢を後輩に託した。


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