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仲間の支えで意地の出塁 国学院栃木・長谷川選手

2005年07月26日

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マウンドに上がった飯塚祐司選手(左)に声をかける長谷川真史選手

 7回裏、4点を入れられ、なお1死二塁のピンチ。「大丈夫。思い切って投げろ」。国学院栃木の長谷川真史選手は、リリーフ登板した飯塚祐司主将の肩をたたいた。「今までありがとう」。その気持ちを手に込めた。

 「長谷川にもう一度チャンスをあげてください。部員の総意です」。4月、練習場わきで飯塚主将がそう言って実島範朗監督に頭を下げた。続いて、部員全員が「お願いします」。長谷川選手はその後ろで、うつむいていた。「副将なのに、なんて情けないんだ」。原因は授業中の「居眠り」だった。

 春季大会が終わった直後、「このままじゃ夏は勝てっこない」。誰もがそう思い、例年より早く朝練習を開始した。条件があった。「寝る時間は減るが、授業中に居眠りはするな」。午前7時から練習が始まる。夜、練習から帰って寝るのは午前1時近く。長谷川選手は1週間もしないうちに、授業中に寝てしまった。それを耳にした実島監督は「選手の資格はない」と、長谷川選手の練習参加を禁止した。

 「やっぱり長谷川がいないとこのチームは成り立たない。おれたちからもお願いしよう」。飯塚主将は部員たちとそう話しあい、実島監督にかけあった。「選手たちが決めたことならば」。そう考えた実島監督は、「背番号6」を長谷川選手のもとに戻した。

 「チームはまだまとまってない。長谷川が変わったのを見せて、引っ張っていくきっかけにしよう」。飯塚主将にそう言われた長谷川選手。睡眠時間は増やせなかったが、休み時間ごとに顔を洗い、授業中に眠くなれば目薬をさし、紙で顔をふいて、眠気をこらえた。そして、後輩や同級生たちに「日常生活から変えよう」と言い続けてきた。

 25日、決勝。9回表、長谷川選手は打席に入った。「本来、自分はグラウンドに立てない存在。みんなに恩だけはかえしたい」。死球で塁に出た。が、本塁を踏めずに試合は終わった。

 「楽しかったな」。「お前のおかげでここまで来れた」。宇都宮南の校歌が終わり、応援席にあいさつに向かう途中、目を赤くしながらも飯塚主将とそう声をかけあった。


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